「日本商社の対北朝鮮ビジネス史」 の連載開始に当たって 藤田 徹 『東アジア経済情報』東アジア貿易研究会 2019年2月号
筆者は、1973 年に総合商社に入社して2013 年に退職するまでの間、主に東京本社で海外の政治経済情報の収集・分析、海外店舗の管理、営業支援、経済団体等の対外活動を担当する海外業務部等の部署を歴任し、一貫して韓国、北朝鮮を含むアジア大洋州地域に関する業務を担当して来た。
この間、韓国に通算約10 年間駐在したのをはじめ、韓国と北朝鮮関係の経済団体の活動に深く関与し、北朝鮮を現役時代に4回、退職後の2015 年にも1回訪問するなど、商社マンとして朝鮮半島とのビジネスや経済関係に深く関与して来た。
筆者が総合商社勤務時代に自ら体験したこのような内容を中心に、当時、作成した資料や記録、出張報告書、旅行記、会議議事録等の他、外部から入手した北朝鮮との経済関係に関する資料等に基づき、1970 年代から現在までの日本の商社を中心とした北朝鮮とのビジネスの歴史を記録。
筆者が直接体験できなかった1970 年以前の歴史については、総合商社の先輩や上司、あるいは業界関係者から聞いた話をはじめ、次のような資料等を参照した。
ひとつは、中央公論に1996 年5 月号から7 月号に掲載された村上貞雄氏の手記「私が見た北朝鮮の内幕-日朝貿易四十年秘話」である。
村上氏は1922 年生まれで、1958 年から日朝貿易会に勤務して常務理事まで務め、1977 年3 月からは、北朝鮮に輸出した商品代金を回収するために日本側債権者により設立された「日朝貿易決済協議会(決済協)」の代表を兼務した。
筆者が総合商社に入社した当時、北朝鮮等の共産圏との貿易を行なっていたダミー会社と呼ばれた貿易子会社が日朝貿易会の幹事会社であったことから、筆者も当時から同会の活動に参加して、村上氏とは会合等でたびたび会う機会があり、直接話を聞いた。
もうひとつは、東アジア貿易研究会が1993年6月に吸収合併した日朝貿易会の歴史を纏めて、同年9 月に発行した「日朝貿易関係37 年誌」である。
筆者は1970 年代に日朝貿易会の会合に参加した時から北朝鮮とのビジネスに関与を始め、その後も総合商社のダミー会社社長を兼務して決済協の理事として活動しただけでなく、訪朝時に決済協を代表して朝鮮貿易銀行との交渉に当たるなどの役割を果したほか、東貿研の活動にも会員会社の担当者として積極的に参画するなど、北朝鮮に関するビジネス活動に非常に長い間に亘って関与して来た。
この連載記事が日本の北朝鮮とのビジネスの歴史を理解する一助になれば幸いである。
cf. 2008年8月現在、日朝貿易での朝鮮側の債務総額は2,000億円を超えると見られた。(小牧輝夫、環日本海経済研究所編『経済からみた北朝鮮~』2010年、明石書店、p122。2019年現在では元金、利息、孫利息等合わせて2,000 数百億円ほどになるか。
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